1.「日本時間」とは
19世紀の半ば、砂糖農園で働くためにハワイへ日本人が集団で渡航しました。彼らはその年(1868年=明治元年)にちなんで元年者と呼ばれています。その後、アメリカ本土やカナダへの出稼ぎ労働者が増加していく一方で、白人による日本人排斥活動も活発化していきました。その結果1908年までにはアメリカへの出稼ぎ移民が禁止されました。
アメリカの代わりに脚光を浴びたのが中南米諸国でした。ペルーにはすでに1899年に移民が出かけており、1908年以降ブラジルへの移民が本格化しました。
日本人移民の増加は現地での日本人社会(コミュニティ)の誕生につながり、彼らを対象とする邦字新聞や雑誌が現地で発行されるようになりました。ラジオの時代(1920年代)に入ると、日本音楽の番組が放送されるようにもなりました。そのうちに、日本人がラジオ局から時間を借りあげて広告料収入を得て番組制作を始めるようになり、日本語による番組も各地で始まりました。
邦字新聞については学者による研究も進められていますが、「送りっ放し」のラジオ番組についてはまとまった資料がほとんどありません。そこで、邦字新聞を中心とした文献調査、関係者へのインタビューおよび番組聴取を通じて、現地のラジオ放送局から放送された日本語および関連番組の歴史、すなわち日本語放送史をとりまとめるプロジェクトとして「日本時間」がスタートしました。
2. 日本時間の構成
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